腕時計徒然記

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腕時計の小世界 その42.女神が運んでくれた・・・編

 筆者は過去にかなりのアンティーク腕時計を所有していたのですが、いろいろな理由で殆どを手放して、今は国産の物がほんの数個だけとなってしまいました。
 
 20代のアパレル・メーカー勤務の頃は、筆者にとって一番羽振りが良かった時期で、職業柄けっこう若造の分を超えた腕時計をしていました。
 
 その当時、吉祥寺から中央線に乗って四谷で降り、地下鉄の丸の内線に乗り換え、赤坂見付で今度は銀座線に乗換え、外苑前で降りるというのが通勤経路でした。
 (いや~、すぐには思い出せませんでした。昔昔の事ですね)
 
 ある月曜日、混み合った中央線で、新宿の某デパートの担当バイヤーの女性と乗り合わせました。綺麗でお洒落な心ときめく年上の女性です。
 偶然に驚きながらも殺人的に混み合う電車の中、お互い座席に座った人の膝に座らんばかりの状況になりながらも、今季のコレクションの反応や売れ行きの事などを話しておりました。
 
 そうこうしているうちに新宿駅に着き、彼女は降りようしたのですが、赤いモヘアのセーターを着ていた彼女の首から背中になにやらキラキラしたものがぶら下っております。
 
 「これはいかん! 商品タグが付いたままじゃないか!!」
 
 彼女はそれに全く気づいていません。
 
 「これは一大事、教えやらなければ彼女が恥をかいてしまう!!」
 
 同じアパレル業界にいる者同士、仁義を欠く事はできません。
 
 そう思った筆者は、乗り込んでくる集団に抗い、揉みくちゃになりながら電車を降り、ともすれば人込みにまぎれこんで見失いそうになる彼女を追いながら、
 
 「あ~あ、今日は遅刻だなぁ・・・ あ、そうだ、彼女に言って立ち寄りって事にしてもらおう。でも、何で商品企画のお前が展示会でもないのにバイヤーに呼ばれるんだ?って事になりそうだなぁ・・・」
 
 なんて、考えておりました。
 (後に子会社に移動し営業兼務となりましたが、この頃はまだ親会社の商品企画専任でした)

 ホームの中ほどの階段で、やっと彼女に追いつき声をかけ、事の顛末を伝えて背中にぶら下ったタグを取ろうとしたのですが、そこにぶら下っていたのは・・・・・・

 
 また、長くなりそうですね~
 
 (ここから先、長文注意です。 読むのが面倒なら、パスして下さいね。)



 な~んと、商品タグだと思っていたのは、セーターに絡まった小振りな古い時計でした。
 殺人的な通勤ラッシュで、片側のバネ棒が外れて持ち主の手を離れた時計は、ブレスレットの弓冠で、近くに居た彼女の毛足の長いモヘアに引っ掛かったのでしょう。
 
 「え~、何だこりゃぁ~?」
 
 「ちょっと、何よこれ~!」
 
 二人とも目が点でした。
 
 「あっ、でもありがとね!ピコさん!!今日、朝一で販売会議があるから、またね!!!昼に電話するねぇ~!!!!」
 
 と彼女は雑踏の中を赤い流星のように走り去って行きました。
 
 いや~、月曜日の朝一で会議なのは、うちも同じなんですけど・・・それも今日は月初めなので全体会議・・・・・・
 
 階段の途中で人の流れに翻弄され地下通路まで降りた筆者は、壊れた腕時計を持って呆然と立っておりました。

 「参ったな~」

 と思いながら、その時計をスーツのポケットに入れ、遅刻の言い訳を考えながら、また、中央線のホームに戻りました。
 (今なら、もっと余裕を持って早めに家を出ろよって感じですな)
 
 これは本当の事を説明しても、「もっとマシな言い訳考えろ!!」ってどやされるんだろうなぁ!
 
 暗~い気持ちで全体会議途中の会場(会議は青山のホテルの広間を借りて行われていた)に行くと、会議が終わってから案の定、直属上司の副社長(有名な双子の片割れでファッション評論家の方の元上司)や企画部長(後に独立して神戸に本社がある会社の取締役になった)に、
 
 「てめぇ~!!訳のわからない言い訳しやがって!!やる気が無いなら辞めちまえぇ~」
 
 的な大目玉を、会社に戻る途中の歩道橋の上でくらって、ど~んと落ち込みました。

 その日の昼飯を食べに、同僚と行きつけの洋食屋に行った時、なんで遅刻したかを仲間に話しても、営業事務の同期入社の女の子しか信じてくれません。
 
 「ニットだと、よく引っ掛かるのよねぇ~」

 「でも、時計が背中に引っ掛からないだろ! 普通は!」 

 「あっ、そうだ!時計をポケットに入れっ放しだった!!」
 
 と思い出し、取り出してみんなに見せながら顛末を説明していたら、誰かが
 
 「おい、これ、ロレックスじゃないか!!」
 
 「え~、うそだろ! そんなロレックス見た事無いよ!!」
 
 「だって、書いてるぞ~」
 
 私は当時エクスプローラーⅠをしてましたが、そんな中途半端な大きさ(ボーイズ・サイズだった)の金色だけど地味なロレックスなんか見たこと無かったのです。
 
 よく覚えて無いのですが、こんな感じの時計でケースやブレスレットは金色でした。当然、もっと文字板や針は汚れていました。多分数字のインデックスじゃなくバーか楔形だったような気がします。(筆者の物と同じ50年代後半のもの)あくまでこの写真は参考程度にご覧下さい。
 rolex324401.jpg
 
 
 「これ随分古いやつじゃないか? アンティークで金だから高いかもよ?」
 
 「ふ~ん、そうか~」
 
 確かに文字板にはロレックスと書いてありますが、黄色くなっているし、針の夜光も黒ずんでいて、買ったばかりの自分の腕時計と比べると、

 「こんな爺さんの時計みたいな古臭いのなんか要らねぇな~」
 
 なんて考えておりました。
   
 考えてみたら拾得物ですから、警察に届けなければいけなかったのでしょうが、もう25年以上も前の話ですから時効でしょう。
 でも、服に勝手に付いてきたのですから、それも、付いていた本人は居なくなっちゃたのですから・・・この場合、届けたら如何なったでしょうねぇ?
 (おっと、また、脱線してしまう・・・)

 当時は腕時計にはあまり興味は無く、一端の男は良い時計を持つべきだなんて考えて、結婚を期に舶来のスイスの時計なら何でも良く、たまたま薦められたロレックスを買っただけでした。
 モデル名がエクスプローラーだなんて、暫らく知りもしなかったですし、興味もありませんでした。
 筆者にとってロレックスは、見たり聞いたりする人に「ほ~良い時計だね」とか言われる、一人前の男の持つ舶来時計だったにすぎなかった訳です。
 
 そんな男ですから、その拾った時計を、近所の今も行きつけの老舗時計店へ持っていって、ジーンズの尻ポケットからジャラジャラ取り出したんですから、親父さんはビックリしましたね~

 「こりゃぁすごいなぁ」

 「え~、何がすごいの?」

 「あんた、これ金だよ!14金!ブレスも金!!」

 「へぇ~?14金じゃ大した事ないな」
 
 物を知らないと言う事は、なんとも恐ろしい事です。
 14金なんて言われても良くわからない訳です。中学入学のお祝いで貰ったパイロットの万年筆のペン先は18金だったから、14金じゃ大した事無いって思ってたんですから・・・
 
 「あんた、何も知らんで持ってたのか?」

 「ええ、それは、かくかくしかじかです」

 「うそだぁ~! 年寄りからかっちゃ駄目だよ!!」

 それからこの時計は50年代のロレックスの自動巻きで云々かんぬん・・・と、お説教を小一時間

 後から調べると、50年代後半の「オイスター・パーぺチュアル」でエクステンション・ブレスレット付きの物だったのでした。
 
 ちなみに時計屋の息子さんが良く見たら、本体もブレスも実は金張りで、ブレスは社外品だったというオチだったのですが・・・
 残念!! 
 これがもしバブルの頃だったら、両方14金で軽く150万は超えてますからね~って、それは後から知ったんですけどね。
 まあ、今じゃ30万くらいなんでしょうなぁ~
 (当時はアンティークっていう物は、ボロい商売だったのでしょうね。いや~、随分変な物つかまされましたもの・・・)
 
 これが、私がアンティーク・ロレックスに嵌るきっかけとなった、あまりにも突拍子が無い、でも、本当にあった話なのです。

 当然、誰に話しても「うそだぁ~」って言われるので、嫌になって、ただ拾ったって話にしましたが、今度は警察に届けなかったので盗人扱いです。
 
 だから、今まで或る意味で封印していたのですが、何故、筆者がアンティーク・ロレックスに嵌っていたかをブログに書こうとした場合、避けては通れない話なので、これを書いている訳です。

 と言っても、これを読んでいる人たちもきっと、

  「うそだぁ~!!」
 
 とか、
 
 「適当な事書くなよ!!」

 とか、思ってるんでしょうなぁ~

 またしても、誰からも信じてもらえないような気が・・・

 現場にいたのは二人だけだし、ぶら下がっていた当の本人は腕時計だか何だか得体の知れない物という認識しかなかったですからねぇ~・・・

 ちなみに、数年前に吉祥寺で雑貨屋さんをやっている彼女に久々に会った時、その時の話をしたら、この出来事を完全に忘れていましたね。
 筆者をアンティーク・ロレックスの迷宮に引き込み、腕時計廃人にしたきっかけを作った、当の本人なんですがねぇ。あの時の事を考えると女神に思えたんですが・・・
 (その後も一旦独身時代に戻った時はいろいろとお世話になりました)

 「だけど、この話、本当なんですって!!!」

 それはそうと、満員電車で腕時計を無くしてしまった方、何処の何方かは存じませんが、その節はどうもお世話になりました。
 その後、あの時計は約20万円を掛けて、焼けていた文字板と針を代理店最期の在庫品と交換し、ひびの入っていたプラスチック風防も交換、中の機械もオーバーホール、ケースやブレスも金張りだったので軽くポリッシュして再生させていただきました。がん木車やアンクル、香箱やローターはガタガタだったそうです。
 この場をお借りして御礼申し上げます。いろいろ勉強させて貰いました。
 
 但し、その後、一身上の都合により、某有名店にて高く買い取っていただいた事も併せてご報告致します。
 多分、その後も良きオーナーの元で、幸せな余生を送っていると思いますので、ご安心下さい。

 今はもうそのアンティークでは有名だった店は無くなっちゃったようですが・・・

 【追記】
 記事をアップしてから気が付いたのですが、参考の写真の時計をどこかで見たような記憶があったので、ゴソゴソと探していたら、似ている時計有りましたので、貼っておきます。
 ↓それはこれ
 オリエントスター
 オリエントの「オリエントスター・クラシック」です。
 今となって考えれば、アンティークなんかより、こちらの方が断然良いですね!



 現行ロレックスはここをクリック




 以下、(反響があれば)「アンティークに苦闘編」へ続くか??



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[ 2011/02/11 09:05 ] 腕時計の小世界 | TB(0) | CM(0)
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